リブウッド大阪城
2024年

所在地 : 大阪府大阪市
建築設計 : ビルディングランドスケープ
構造設計 : 株式会社U'plan
施工 : オリオン建設・新宅工務店特定建設工事共同体
撮影 : 新 良太

【寸評】
1~3 階を鉄骨造、4~8 階を木造の立面混構造として計画された共同住宅・オフィス・店舗から構成される高層木造建築である。
上階の木造部分は軸組工法となっており、柱・梁には国産カラマツ材のLVLが用いられている。耐震要素としては、下層のより耐力が必要な部分ついてはカラマツLVLの耐震ブレース、上層で構造的負担の少ない箇所にはスギCLTの耐震壁がそれぞれ用いられ、さらには7~8階のオーナー住戸の一部には1時間耐火性能を持った難燃薬剤処理LVLも用いられており、まさに都市木造に必要なLVLによる様々な技術が適材適所に組み込まれている。
耐火性能のことを考えると、1~3階は鉄筋コンクリート造という選択肢もあったかと思うが、下層階を鉄骨造とする事で木造部分との剛性の差を小さくし、全体としても各層の層剛性のバランスをとる工夫もみられる。
様々な技術の集合体に見える一方で、工法的にもコスト的にもハードルの高いプロジェクトにも見えるが、これを実現した施主・設計・施工関係者の熱意や積極的な取り組みは評価に値すると思う。
(加藤 征寛 / NPO法人 team Timberize 理事)