Os melia
2024年

所在地 : 東京都中野区
建築設計 : 株式会社ブルースタジオ
構造設計 : 株式会社KAP
施工 : 礎コラム
撮影 : 外観写真 / Kenya Chiba、室内写真 / Yoshiyuki Chiba

【寸評】
都市木造ビルの大規模プロジェクトが東京で次々と建てられている。過去のT1グランプリ受賞作を眺めてみると、ここに来てその流れが急加速していることが良く分かる。そして、こうした流れの次に来るのが中小規模ビルの木造化であり、都市木造の普及の鍵となるものである。OS meilaは、まさにその先駆けとなる作品だ。
都市木造ビルを特別な技術に頼らずに作る|中小規模の設計事務所が設計できて、中小規模の工務店が施工可能な建築とする。
シンプルかつローコストを目指す|持続可能性の観点から木造ビルに共感する中小規模の事業者にも手の届く建築とする。
デザインとしての木造らしさを表現する|構造と耐火を解決する新しいアイデアを導入して木を現しとする。
この三つが全て揃って初めて普及モデルが成立するという分析を踏まえて、非常に明快なコンセプトが構築され、地に足の着いた実現性の高い都市木造プロジェクトがデザインされている。ここが最大の評価ポイントで、まさにT1グランプリにふさわしい作品である。
また、一時間耐火の5~8階を現しの木造、二時間耐火の1~4階をS造で外装木質化し、都市木造らしい外観を無理なくしつらえている点も素晴らしい。普及型の都市木造が少しずつ増えていき街の風景が変わっていく、そんな未来を期待させてくれる。
(久原 裕/NPO法人team Timberize理事)