嘉麻市立稲築東義務教育学校
2023年

所在地 : 福岡県嘉麻市
建築設計 : 株式会社久米設計九州支社
施工 : 平嶋工務店JV
写真 : YASHIRO PHOTO OFFICE

【寸評】
―LVLを活かした型枠デザインによる快適な学習空間―
地上三階建ての学校建築である。主体構造は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)であるが、空間を彩る木質化を実現する手法の一つとして、仕上も兼ねたLVLによるプレキャスト化粧型枠を採用している。これにより支保工間隔を拡げて現場の作業スペースを確保し、また、コンクリート養生後に支保工を外すと天井仕上げが完了状態となるため、工期短縮を可能にしている。また、LVLはスラブ打設後も単なる仕上げ材ではなく、スラブの変形抑制にも利用している。
鉄筋コンクリート造のスラブの場合、従来はデッキプレートやハーフPC床版などにより型枠を兼用している事例も多くあるが、これらに代わる新しい工法になり得る可能性を秘めていると思う。
(加藤征寛 / NPO法人 team Timberize 理事)