所在地：広島県廿日市市
建築設計：山代悟＋ビルディングランドスケープ
構造設計：桜設計集団
施工：五洋建設
写真：ビルディングランドスケープ 新良太（下3枚）
　　　山代悟（上1枚）

【寸評】

もはやLVLの大家といっても過言ではないビルディングランドスケープ山代氏の作品。壁には厚さ150mm のニュージーランド産ラジアタパインLVL厚板を全面的に使用している。外部は構造体を風雨から守るため積層面が現れるようにLVL薄板を貼り、室内では板目面を現わしとして、テクスチャに変化を持たせている。さらに屋根の構造材にはCLTを用いることで、建物全体を厚板木造プレファブ工法として解き、LVL積層面、板目面、CLTという３つのテクスチャを用いて、大々的に木を現しにしながら洗練された空間を実現している。LVLの構造的な優位性を活かしながら、CLTも活用し、美しい都市木造の未来をみせてくれた。T-1LVL賞にふさわしい作品であり、山代氏をLVL賞の殿堂入りに推したい。
（萩生田秀之 / NPO法人 team Timberize 理事）