CLTカフェ

明石海峡大橋と淡路島をのぞむ、舞子海岸沿いの小さなカフェである。堤防をまたいで国道と海岸に面する小さな敷地に、階段状のテラスがそのままの段々屋根となっていく、スタジアムの観客席のような建物を計画した。このプロジェクトは、実験廃材のCLTパネルを有効活用すべく始まり、建物と家具に用いられているCLTの大部分は再利用材である。
海を眺める階段テラスの裏側にカフェのキッチンとカウンター席がある。階段状の屋根は、150厚LVL大判パネルから切り出したささら桁状のレイカービームに、150厚CLT(直交集成板)を段板のように載せて構成している。CLTは、ルーバーのような役割を果たし、日中は直射日光を遮り、室内の温度変化を抑える。夜は店内の灯りがスリットからもれ出す。
大型木質材料の再利用やCNC加工、塩害地域での建物長寿命化に向けた仕上や納まりの検討等、小建築ながらも様々な取り組みを含んだプロジェクトである。

建築データ

発注者
 エヌ・ツー

設計
(意匠)内海 彩(内海彩建築設計事務所)
(構造)腰原 幹雄 中村 美穂(K plus)
(設備)長谷川 博(長谷川設備計画)
(照明)稲葉 裕(フォーライツ)

施工
 中田工務店